歯がキーンとしみる原因とは?虫歯・知覚過敏の特徴と治療法を解説
26.10.17
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【はじめに】
冷たい飲み物を飲んだ時や歯磨きをした時に、歯が「キーン」としみることはありませんか?
歯がしみる症状は、虫歯や知覚過敏など、様々な原因によって起こります。特に虫歯と知覚過敏は症状が似ているため「冷たいものがしみるから知覚過敏だろう」と自己判断してしまう方もいるでしょう。
しかし、虫歯が進行して象牙質や歯髄に近づくと、しみる症状が現れます。放置すれば強い痛みに繋がり、治療の範囲が広がる可能性もあります。
そこで今回は、虫歯によって歯がしみる仕組み・知覚過敏との違い・歯がしみた時の対処法・予防のポイントについて歯科医師が解説します。

【虫歯が原因で歯がしみる理由】
◇虫歯の進行としみる症状
虫歯は、口腔内の細菌が糖分を利用して酸を作り、その酸によって歯が溶かされることで進行します。
初期の虫歯では自覚症状がないケースがほとんどで、見た目の変化だけで気づくのは難しいでしょう。
虫歯がエナメル質の内部にある象牙質まで進むと、冷たいものや甘いものがしみるようになります。象牙質には、歯の内部にある神経へ刺激を伝える細管が存在するためです。
そのため、虫歯によって象牙質が露出すると飲食物などの刺激が神経に伝わりやすくなります。
さらに虫歯が深くなり、歯髄と呼ばれる神経まで進行すると症状はより強くなります。冷たいものだけでなく温かいものまでも痛んだり、何もしていないのにズキズキ痛むなど痛み方にも変化がみられます。
「以前よりしみるようになった」「痛みが長く続く」と感じたら、虫歯の進行を疑って早めに歯科医院を受診しましょう。
◇虫歯による神経への影響
虫歯が歯髄に近づくほど神経への刺激は強くなります。
初期には冷たいものや甘いものに反応する程度でも、虫歯が進行すると何もしていない状態でも痛むようになり、夜間に痛みが強くなるケースもあります。
歯髄に炎症が起きた状態を歯髄炎といい、症状によっては根管治療が必要です。
根管治療では、炎症や感染が生じた歯髄を取り除き、歯の内部を清掃・消毒します。その後、根管を封鎖して細菌の侵入を防ぎ、必要に応じて被せ物などで歯を修復します。
虫歯は自然に元の健康な状態に戻る病気ではありません。特に穴ができた虫歯は、進行度に応じた治療が必要になります。

【知覚過敏と虫歯の違い】
◇日常生活でできる対策
知覚過敏は、歯肉が下がったり、歯の表面が摩耗したりすることで象牙質が露出し、刺激が神経に伝わりやすくなる状態です。
冷たい飲み物やアイスクリーム、冷たい空気などが歯に触れた時に瞬間的に鋭い痛みを感じるのが代表的な特徴です。歯ブラシの毛先が触れた時や酸味の強い食品を口にした際にしみる人もいます。
知覚過敏が気になる時は、歯を強く磨かないことが重要です。
力を入れてゴシゴシ磨くと歯肉や歯の表面に負担がかかります。歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、小刻みに動かしましょう。
また、酸性の飲食物を頻繁に摂取すると、歯の表面が酸によってダメージを受けてしまいます。炭酸飲料やスポーツドリンク、柑橘類などは摂取回数や時間にも注意しましょう。
ただし、こうした対策をしていても症状が続くなら、虫歯を含めた別の原因が隠れていないか確認する必要があります。
◇歯科医院での治療法
歯がしみる原因を調べるため、歯科医院では歯の状態や歯肉、噛み合わせなどを確認します。必要に応じてレントゲン検査を行い、歯の内部まで詳しく調べます。
虫歯が原因であれば、進行度に応じて虫歯を取り除き、詰め物や被せ物などで修復します。歯髄まで炎症が広がっていれば根管治療を行う必要があります。
知覚過敏では、知覚過敏を抑える薬剤やフッ化物を塗布する方法があります。象牙質の露出が大きい時はレジンなどの材料で患部を覆い、刺激を遮断する治療法もあります。
「歯がしみる」という同じ症状でも、原因によって治療内容は異なります。症状だけで判断せず、歯科医院で診察を受けることが大切です。

【知覚過敏の対策と治療法】
◇知覚過敏専用の歯磨き粉の使用
知覚過敏向けの歯磨き粉には、象牙質から神経へ刺激が伝わりにくくなるよう働く成分が配合されています。
毎日の歯磨き粉に取り入れることで、しみる症状の軽減を期待できます。すぐに変化が出るとは限らないため、継続して使用しながら、歯に負担をかけない磨き方を心がけましょう。
歯磨き粉を選ぶ際は、知覚過敏への対応だけではなく、虫歯予防の観点からフッ素配合製品を選ぶのもポイントです。
ただし、虫歯が原因で歯がしみているなら、知覚過敏用の歯磨き粉だけで虫歯を治すことはできません。
◇歯科医院での専門的な治療
自宅でのケアを続けていても症状が改善しない場合や痛みが強い場合は、歯科医院で相談しましょう。
歯科医院では、フッ化物や知覚過敏抑制剤を患部に塗布して刺激を抑える方法があります。歯の根元が大きく露出している場合は、レジンなどで覆って刺激から保護する処置を選択することもあります。
また、歯ぎしりや食いしばりによって歯に強い力がかかっていると、知覚過敏に繋がる可能性があります。必要に応じて噛み合わせを確認し、原因となる習慣への対策も行います。

【虫歯の予防】
◇正しい歯磨きの方法
虫歯予防の基本は毎日の歯磨きです。
歯ブラシを歯と歯肉の境目に当てて、力を入れすぎず丁寧に磨きましょう。特に奥歯の溝は汚れが溜まりやすいため、意識して清掃する必要があります。
歯間部の汚れは歯ブラシだけでは取りきれないため、デンタルフロスや歯間ブラシの併用が必要です。
また、フッ素配合の歯磨き粉を使用することで歯の再石灰化を促し、虫歯予防に繋げられます。
ただし、虫歯を予防したいからといって強い力で磨くのは逆効果です。歯肉への負担を抑えながら丁寧に磨くことを意識してください。
◇定期検診の重要性
虫歯は、痛みやしみる症状が出る前に発見できれば早い段階で対応することができます。
定期検診では、歯の表面だけでなく、歯間部や詰め物・被せ物の周囲など、自分では確認しにくい部分までチェックできます。
さらに、歯肉の状態や歯垢・歯石の付着状況も確認するため、歯周病の予防にも役立ちます。定期的なクリーニングを受ければ、セルフケアだけでは落としにくい汚れを除去でき、口腔内を清潔に保ちやすくなります。

【しみる症状が続く場合の対処法】
◇早期受診の重要性
歯がしみてもすぐに症状が治ると「少し様子をみよう」と考えてしまうかもしれません。
しかし、同じ歯が何度もしみる・以前より痛みが強くなった・冷たいもの以外でも痛むなどの変化があれば歯科医院で確認することをおすすめします。
特に何もしていないのにズキズキする・夜になると痛みが強くなる・噛むと痛い・歯肉が腫れているといった症状は注意が必要です。
虫歯が原因なら、早い段階で治療することで歯を削る量を抑えられる可能性があります。痛みを我慢し続けるのではなく、原因を確認することが大切です。
◇症状を軽減するための応急処置
歯がしみる時は、冷たいものや熱いものなど、症状を誘発する刺激を避けましょう。
歯磨きでは力をいれすぎず、知覚過敏用の歯磨き粉を使用するのも一つの方法です。
また、酸味の強い食品や飲料を長時間口に含む習慣があるなら、摂取方法を見直してみましょう。
ただし、これらはあくまで症状を軽減するための対策です。虫歯そのものを治療するものではありません。痛みやしみる症状が続いているなら、歯科医院を受診して原因を確認しましょう。

【まとめ】
◇虫歯と知覚過敏の理解を深める
歯がしみる原因には、虫歯や知覚過敏などがあります。
虫歯が象牙質まで進行すると、冷たいものや甘いものがしみやすくなります。さらに歯髄まで炎症が広がれば、何もしていなくても痛むなど、症状が強くなる傾向があります。
一方、知覚過敏は歯肉の退縮や歯の摩耗などによって象牙質が露出し、外部からの刺激が神経に伝わりやすくなることで生じます。
両者は似た症状を示すため「冷たいものがしみる=知覚過敏」と決めつけないことが重要です。
◇適切な対策で健康な歯を保つ
歯がしみる時は、刺激の強い飲食物を控え、正しい方法で歯磨きを行いましょう。知覚過敏用の歯磨き粉を取り入れる方法もあります。
ただし、虫歯が原因なら歯科医院での治療が必要です。放置している間に虫歯が進行すると詰め物だけでは対応できず、根管治療や被せ物が必要になる可能性もあります。
症状が繰り返す・痛みが強くなる・何もしていないのに痛むといった変化があれば、早めに診療を受けることをおすすめします。
毎日のセルフケアと定期的な歯科検診を組み合わせて虫歯や知覚過敏から歯を守っていきましょう。

【最後に】
歯がしみる症状は、虫歯や知覚過敏など様々な原因によって起こります。
特に虫歯は、初期段階では目立った症状がなくても、進行するとしみる・痛むといった変化が現れます。「いつもの知覚過敏だろう」と自己判断せず、症状が続く時は歯科医院を受診しましょう。
当院では、虫歯や歯周病の診療をはじめ、歯がしみる原因の確認や必要な治療にも対応しています。また、親知らずの抜歯やインプラントなど、お口の状態に合わせた治療についてもご相談いただけます。
冷たいものがしみる・歯磨きの時に痛む・以前より症状が強くなったなど、気になる変化があれば早めにご相談ください。原因を正しく把握し、適切な治療と日々のケアを続けることで、健康な歯を長く維持していきましょう。
