虫歯で頭痛が起こるのはなぜ?原因・治療法・受診の目安を歯科医が解説!
26.06.17
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【虫歯と頭痛の関係を理解しよう】
「頭痛が続いているけれど原因がわからない」「薬を飲んでもなかなか改善しない」という場合、実は虫歯が関係している可能性があります。頭痛というと脳や肩こりの問題をイメージする方が多いですが、口腔内トラブルが原因となって起こるケースも少なくありません。特に虫歯が進行して神経に達すると、強い痛みや炎症が発生し、その刺激が周囲へ広がることで頭痛を引き起こすことがあります。また、親知らず周辺の虫歯や智歯周囲炎による炎症、噛み合わせの乱れなども頭痛の原因になることがあります。ここでは、虫歯と頭痛がどのように関係しているのかについて解説します。
◇虫歯が引き起こす頭痛のメカニズム
虫歯が進行すると、歯の内部にある神経にまで細菌感染が及び、歯髄炎と呼ばれる炎症を引き起こします。神経に炎症が起きると強い痛みが生じ、その刺激が顔面やこめかみ周囲の神経へ伝わることで頭痛として感じられることがあります。
また、虫歯による痛みを無意識にかばうことで、顎や首周辺の筋肉に余計な負担がかかり、筋肉の緊張が続き、その結果肩こりや頭痛につながるケースもあります。虫歯を放置して炎症が広がると、歯の周囲だけでなく、顎や副鼻腔にも影響を及ぼし、頭全体が重く感じるような症状が現れる場合もあります。
◇頭痛の種類と虫歯の関連性
頭痛にはさまざまな種類がありますが、その中でも虫歯と関係が深いのが「筋緊張性頭痛」と「歯性感染による頭痛」です。
筋緊張性頭痛は、顎周辺の筋肉が緊張することで起こる頭痛です。虫歯による痛みを避けるために片側ばかりで噛むようになると筋肉のバランスが崩れて頭痛が起こりやすくなります。また、虫歯が原因で炎症が広がった場合には、こめかみや頬あたりに痛みを感じることがあります。特に上の奥歯の虫歯は副鼻腔に近いため、頭痛と関連するケースがあります。

【虫歯による頭痛の原因とは?】
虫歯による頭痛にはいくつかの原因があります。単純に歯が痛むだけではなく、炎症や噛み合わせの問題が関係している可能性があります。
◇歯髄炎が引き起こす痛み
歯髄炎とは、虫歯が神経まで進行したことで起こる炎症です。歯の神経には多くの血管や神経組織が存在しており、細菌感染によって炎症が起きると非常に強い痛みを感じるようになります。特に夜間にズキズキと痛む場合や、温かいものがしみる場合は歯髄炎が疑われます。この炎症による刺激は周囲の神経にも伝わるため、歯の痛みだけでなく頭痛として感じることがあります。放置すると症状が悪化して根管治療などの大掛かりな治療が必要になってしまいます。
◇歯性上顎洞炎とその影響
上の奥歯の虫歯を放置すると、細菌感染が上顎洞と呼ばれる空洞に広がることがあります。これを歯性上顎洞炎と言います。歯性上顎洞炎になると、頬の痛みや鼻詰まり、頭痛などの症状が現れます。風邪や副鼻腔炎と似た症状が出るため、原因が虫歯だと気づかないケースも少なくありません。特に上の奥歯や親知らずの虫歯が進行している場合は注意が必要です。頭痛が長期間続く場合は、耳鼻科だけでなく歯科での診察も検討しましょう。
◇筋緊張性頭痛の原因となる噛み合わせの問題
虫歯によって歯が欠けたり、痛みを避けるために片側だけで噛んだりすると、噛み合わせのバランスが崩れる場合があります。噛み合わせが乱れると顎周囲の筋肉に負担がかかり、首や肩の筋肉も緊張しやすくなります。その結果、筋緊張性頭痛が起こるケースがあります。このような頭痛は、長時間のデスクワークやストレスによる頭痛と似ているため見分けがつきにくいことが多いです。しかし、治療を行えば改善が期待できます。

【虫歯による頭痛の治療法】
虫歯が原因の頭痛は、根本原因である虫歯は炎症を改善しなければ改善しません。
◇虫歯治療の重要性
虫歯による頭痛を改善するためには、まず虫歯そのものを治療することが重要です。初期の虫歯であれば詰め物による治療で済みますが、神経まで進行している場合は根管治療が必要になります。また、親知らずの虫歯や智歯周囲炎を繰り返している場合には、抜歯が選択されるケースもあります。
頭痛だけを対処しても、虫歯が残っている限り症状が再発する可能性があります。そのため、原因をしっかりと特定して適切な治療を受けることが大切です。
◇噛み合わせの調整とその効果
虫歯治療後も噛み合わせに問題があれば、調整が必要です。被せ物や詰め物の高さが合っていなかったり、虫歯によって歯並びのバランスが崩れたりすると、顎や筋肉に負担がかかります。噛み合わせを整えることで顎周辺の筋肉の緊張が軽減され、頭痛や肩こりが改善する可能性があります。

【頭痛が起きた時の応急処置】
虫歯による頭痛が疑われる場合でも、すぐに歯科を受診できないことがあります。そのような場合は一時的な対処法を行いましょう。
◇冷やすことの効果
炎症が原因の場合は、頬の外側から冷やすことで症状が和らぐケースがあります。ただし、冷やしすぎると逆に痛みが強くなることもあるため、保冷剤をタオルに包んで使用しましょう。
◇鎮痛剤の使用方法
頭痛や歯の痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を使用することで一時的に症状を緩和できます。しかし、鎮痛剤は根本的な治療ではありません。薬で痛みが落ち着いても虫歯や炎症が治ったわけではないため、早めに歯科医院を受診しましょう。
◇生活習慣の見直し
睡眠不足やストレスは痛みを強く感じさせる原因になります。十分な睡眠を確保し、規則正しい生活を送ることで頭痛や歯の痛みが悪化するリスクを減らせます。また、アルコールや喫煙は炎症を悪化させる可能性があるため注意が必要です。

【虫歯を予防するためのポイント】
虫歯による頭痛を防ぐためには、虫歯そのものを予防することが大切です。
◇正しい歯磨き
毎日の歯磨きは、虫歯予防の基本となる重要な習慣です。しかし、ただ歯を磨くだけでは十分とは言えません。歯と歯の間や奥歯などは歯ブラシが届きにくく、磨き残しが発生しやすい部分なので意識してケアする必要があります。歯と歯の間の清掃にはデンタルフロスや歯間ブラシを併用することがおすすめです。また、奥歯や舌側などの歯ブラシを入れにくい部分にはタフトブラシを使用しましょう。歯ブラシでは磨きにくい部分がとても磨きやすくなります。
さらにフッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使用することで歯質を強化し、虫歯になりにくい環境を整えることができます。
虫歯は初期の段階では痛みを感じにくいですが、自覚症状がなくても毎日のセルフケアを継続することが大切です。正しい歯磨きを習慣化することで、虫歯だけでなく歯周病や口臭の予防にも繋がり、健康な口腔環境を維持しやすくなります。
◇定期的な歯科検診の重要性
虫歯は初期段階ではほとんど症状が現れないため、自分では気づかないうちに進行しているケースがあります。痛みや腫れなどの症状が出た時には、すでに虫歯が神経近くまで進行している可能性があります。そのため、症状の有無に関わらず定期的に歯科検診を受けることが大切です。
歯科医院では虫歯の有無だけでなく、歯肉の状態や噛み合わせ、詰め物や被せ物の不具合なども確認します。また、専門的なクリーニングによってセルフケアでは落としきれない歯垢や歯石を除去できるため、虫歯や歯周病の予防にも効果的です。虫歯が進行して頭痛や強い痛みを引き起こす前に発見・治療をするためにも定期的な歯科検診を習慣化し、口腔内の健康管理を行うことが重要です。

【まとめ】
虫歯は単に歯が痛くなるだけの病気ではなく、進行すると神経に炎症が起こり、頭痛の原因になることがあります。特に歯髄炎や歯性上顎洞炎、噛み合わせの乱れなどは、頭痛と深く関係していることが知られています。そのため、頭痛が続いている場合は、脳や肩こりだけでなく、歯や口腔内のトラブルが関係していないか確認することも大切です。
また、虫歯による頭痛は鎮痛剤で一時的に症状を和らげることはできても、原因となる虫歯や炎症を治療しなければ根本的な改善には繋がりません。放置すると症状が悪化して神経の治療や抜歯が必要になる場合もあります。
虫歯や頭痛を予防するためには、毎日の正しいセルフケアに加え、定期的な歯科検診を受けることが欠かせません。早期発見・早期治療によって歯への負担を軽減できるだけでなく、頭痛などの二次的な症状を防ぐことにも繋がります。歯の痛みや違和感、原因不明の頭痛が続く場合は自己判断せず、早めに歯科医院へ相談するようにしましょう。
