歯がしみるのはなぜ?考えられる原因や治療法・予防ポイントを歯科医師が解説!
26.08.24
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【はじめに】
冷たいものを飲んだ時や甘いものを食べた時に、キーンと歯がしみた経験はありませんか?歯がしみる症状は身近なトラブルの一つですが、その原因はさまざまです。知覚過敏による一時的なものもあれば、虫歯や歯周病などの病気が隠れている場合もあります。
「少ししみるだけだから」と放置してしまう方も少なくありませんが、原因によっては症状が悪化し、大掛かりな治療が必要になるケースもあります。大切なのは、しみる症状の原因を正しく理解し、適切な対処を行うことです。今回は、歯がしみる原因や考えられる病気、歯科医院での治療法や予防方法について詳しく解説します。

【歯がしみる原因を理解する】
歯がしみる症状は、歯の内部にある神経へ刺激が伝わることで起こります。しかし、なぜ刺激が神経へ伝わるようになったのか、その原因は一つではありません。まずは代表的な原因である知覚過敏と虫歯について理解しておきましょう。
◇知覚過敏とは何か
知覚過敏は、正式には「象牙質知覚過敏症」と呼ばれる状態です。歯の表面を覆っているエナメル質や歯肉が何らかの原因で失われるとその内部にある象牙質が露出します。象牙質には「象牙細管」と呼ばれる細い管が無数に存在しており、「キーン」とした鋭い痛みを感じるようになります。
知覚過敏による痛みは一時的で、刺激がなくなると比較的短時間で落ち着くことが特徴です。しかし、症状が進行すると日常生活に支障をきたすこともあります。また、しみるのが嫌で片側だけで噛むようになると、噛み合わせのバランスが崩れ、お口全体のトラブルにつながる場合もあります。歯がしみる原因を自己判断することは難しいため、症状が繰り返し起こる場合は歯科医院に相談することが大切です。
◇虫歯が引き起こすしみる症状
歯がしみる原因として、虫歯も非常に多く見られます。虫歯は、お口の中にいる細菌が糖分を分解して酸を作り、その酸によって歯が溶かされる病気です。
初期の虫歯では痛みを感じないことが多いですが、虫歯が象牙質まで進行すると、冷たいものや甘いものがしみるようになります。さらに神経に近づくにつれて痛みは強くなり、熱いものでもしみたり、何もしていない時にズキズキと痛んだりするようになります。
知覚過敏との違いは、刺激がなくなってもしばらく痛みが続く点です。また、噛んだ時に痛みを感じるケースも少なくありません。虫歯は自然に治癒しないため、しみる症状が続く場合は早めに歯科医院を受診しましょう。

【知覚過敏の詳細な原因】
◇エナメル質の摩耗
エナメル質は人の体の中でも非常に硬い組織ですが、日々の生活習慣によって少しずつ摩耗していきます。原因として多いのは、力を入れすぎたブラッシングです。しっかりと磨こうとして強い力で歯を擦ると、エナメル質が徐々にすり減っていきます。また、硬い歯ブラシの使用や研磨剤の多い歯磨き粉も歯への負担をかけます。さらに、歯ぎしりやくいしばりの習慣がある方は、強い力が繰り返し加わることで歯の表面が傷つきやすくなります。
炭酸飲料やスポーツドリンク、柑橘類などの酸性の飲食物を頻繁に摂取することも注意が必要です。酸によって歯が溶ける「酸蝕症」が進行すると、しみる症状につながります。
エナメル質は一度大きく失われると自然には元に戻りません。そのため、日頃から歯への負担を減らすことが重要です。
◇歯肉の退縮
歯肉が下がることも、歯がしみる代表的な原因の一つです。
歯の根元にはエナメル質が存在しないため、歯肉が下がると外部からの刺激を受けやすくなります。歯肉退縮は加齢だけで起こるものではありません。歯周病による炎症や、強すぎるブラッシング、歯ぎしりなども大きく関係しています。
また、歯周病が進行すると歯を支えている骨が減少し、歯肉がさらに下がっていきます。「以前より歯が長く見える」「冷たいものがしみるようになった」と感じた時には、歯肉退縮が進んでいる可能性があります。放置すると症状が慢性化しやすいため、早めの診察が大切です。

【虫歯によるしみる症状】
歯がしみる原因として、知覚過敏だけではなく虫歯が隠れているケースがあります。虫歯は進行度によって症状が変化するため、しみる感覚の違いを知っておくことが大切です。
◇虫歯の進行としみる感覚
虫歯は、歯の表面にあるエナメル質から始まり、徐々に象牙質、そして神経へと進行していきます。初期の段階では自覚症状がほとんどなく、定期検診で初めて見つかることも珍しくありません。
しかし、虫歯が象牙質まで達すると、冷たいものや甘いものでしみるようになります。さらに進行すると、熱いものでも刺激を感じるようになり、噛んだ時に痛みが出たり、何もしていない状態でもズキズキとした痛みが続いたりします。
また、「急に痛みがなくなったから治った」と考える方もいますが、これには注意が必要です。神経が細菌の感染によって機能しなくなり、痛みを感じなくなっている可能性があります。そのまま放置すると、歯の根の先に膿が溜まり、頬が腫れたり、強い痛みが出るなど、さらに症状が悪化する恐れがあります。
◇虫歯の治療法
虫歯の治療法は進行度によって異なります。
初期の虫歯であれば、フッ素の活用や経過観察で対応できる場合があります。虫歯が小さいうちは、削る範囲を最小限に抑えられるため、歯への負担も少なくなります。
一方で、虫歯が神経まで進行した場合には、根管治療が必要になるケースがあります。根管治療では、感染した神経を取り除き、歯の内部を丁寧に洗浄・消毒した上で薬剤を詰めて、被せ物を装着します。
虫歯は、早期に発見できれば治療期間や費用の負担を軽減することができます。しみる症状を感じた時には、早めに歯科医院を受診することが大切です。

【歯周病が引き起こすしみる症状】
歯がしみる原因として見落とされやすいのが歯周病です。歯周病は歯肉だけの病気と思われがちですが、進行すると歯がしみる症状にもつながります。
◇歯周病の初期症状
歯周病は、お口の中の細菌によって歯肉に炎症が起きる病気です。初期の段階では、歯磨きの時に出血する、歯肉が赤く腫れるといった症状が見られます。しかし、歯周病は痛みが少ないため、自覚がないまま進行することも少なくありません。炎症が進むと歯を支えている骨が徐々に失われ、歯肉が下がっていきます。歯の根元が露出すると、冷たいものや甘いものに敏感になり、しみる症状が現れます。また、口臭が強くなる、歯がぐらつくなどの変化が見られることもあります。
◇歯周病の治療法
歯周病の治療では、まず歯石や歯垢の除去をして、細菌の数を減らすことから始めます。歯石は歯磨きでは取り除けないため、歯科医院で専門的なクリーニングを受ける必要があります。歯周病が進行している場合は、歯周ポケット内を清掃したり、外科的な処置を行う場合があります。また、治療後も再発しやすい病気のため、毎日のセルフケアと定期的なメインテナンスが欠かせません。

【その他の原因と対策】
◇ホワイトニング後のしみる感覚
ホワイトニングを受けた後に、一時的にしみる症状が現れることがあります。これは、ホワイトニング剤によって歯の内部が刺激を受けて、一時的に敏感な状態になっているためです。多くは数日程度で落ち着きますが、症状が強い場合には歯科医院へ相談しましょう。また、施術直後は冷たい飲み物や酸性の強い食べ物を控えることで刺激を軽減しやすくなります。
◇ストレスや生活習慣の影響
ストレスも歯がしみる原因の一つです。強いストレスを抱えていると、無意識のうちに歯ぎしりやくいしばりをしてしまうことがあります。これらの習慣は歯へ大きな負担をかけ、エナメル質の摩耗や小さな亀裂につながります。
また、睡眠不足や生活リズムの乱れは、お口の環境を悪化させ、虫歯や歯周病のリスクを高める要因になります。歯がしみる症状を改善するためには、お口のケアだけでなく、生活習慣を整えることも大切です。

【しみる症状のセルフチェック】
◇日常生活でのチェックポイント
次のような症状がある場合は、歯や歯肉にトラブルが起きている可能性があります。
・冷たいものだけしみる
・甘いものを食べると痛い
・歯磨きの時にしみる
・特定の歯だけがしみる
・歯肉が下がったように感じる
これらの症状が続く場合には、自己判断せず歯科医院で診察を受けましょう。
◇症状が悪化する前に確認すべきこと
しみる症状が数週間続く、以前より痛みが強くなっている、腫れや熱感を伴うなどの変化がある場合は注意が必要です。特に何もしていなくてもズキズキと痛む場合は、神経にまで炎症が及んでいる可能性があります。早めに受診することで、歯を残せる可能性があります。

【歯科医院での治療とケア】
◇専門的な診断と治療法
歯科医院では、問診や視診、レントゲン撮影などを行い、しみる原因を詳しく調べます。
原因が知覚過敏であれば、薬剤の塗布やコーティングを行います。虫歯が見つかった場合には虫歯治療を行い、必要に応じて神経の治療を検討します。
また、原因が歯周病であれば、クリーニングや歯周病治療を進めながら、歯肉の状態を改善していきます。
◇再発防止のためのケア
症状が改善した後も、再発を防ぐためには日常のケアが重要です。フッ素入りの歯磨き粉の使用や正しいブラッシングを続けることで、虫歯や知覚過敏の予防につながります。また、定期的な歯科検診を受けることで、小さな変化にも早い段階で気づきやすくなります。

【まとめと今後の対策】
◇しみる症状を放置しない重要性
歯がしみる症状の背景には、知覚過敏だけでなく虫歯や歯周病などの病気が隠れていることがあります。「少ししみるだけだから」と放置すると、虫歯が神経まで進行したり、歯周病によって歯を支える骨が失われたりする恐れがあります。
歯を長く健康に保つためには、違和感を覚えた段階で原因を確認し、適切な治療を受けることが大切です。
◇定期的な歯科検診
虫歯や歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、定期検診が非常に重要です。定期的に診察を受けることで、トラブルを早期に発見しやすくなり、治療の負担を軽減できる可能性が高まります。毎日のセルフケアと定期的なメインテナンスを継続し、お口の健康を守っていきましょう。

【最後に】
当院では、知覚過敏や虫歯、歯周病の治療をはじめ、親知らずの痛みや腫れ、智歯周囲炎による炎症、抜歯が必要なケースにも対応しております。また、インプラント治療や予防歯科にも力を入れており、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせた診療をご提案しています。歯がしみる症状やお口の違和感がある方は、症状が軽いうちにお気軽にご相談ください。
