虫歯を放置するとどうなる?痛み・治療・予防までを徹底解説!
25.10.22
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虫歯を放置するとどうなる?痛み・治療・予防までを徹底解説!
【虫歯を放置するとどうなるか…】
虫歯を放置すると、進行段階ごとに症状やリスクが大きくなっていきます。進行段階ごとにまとめます。

・初期虫歯(CO〜C1 エナメル質)
→自覚症状がない。フッ素や正しい歯磨きで再石灰化を促進することで治ることもある。
・中期虫歯(C2 象牙質まで進行)
→冷たいものや甘いものでしみる症状がある。放置すると悪化する。
治療は詰め物で対応可能。

・進行期虫歯(C3 神経まで進行)
→強い痛みやズキズキする症状がある。神経を取る治療(根管治療)が必要となる。

・末期虫歯(C4 歯根だけ残る)
→神経が壊死して、痛みが一時的になくなる。放置すると膿がたまったり、腫れたりする。
抜歯が必要となり、その後ブリッジや入れ歯、インプラント治療が必要となる。

虫歯は自然に治ることはないため、放置することで治療や費用が大がかりになってしまいます。
【虫歯を放置するリスク】
虫歯を放置すると以下のようなリスクがあります。
①虫歯の悪化・歯の喪失
・虫歯は自然には治らず進行する。
・神経まで到達するとズキズキと強い痛みが出て、根管治療や抜歯が必要になる。
・最終的に歯を失ってしまった場合はブリッジや入れ歯で健康な歯を削る必要が出てきたり、インプラント治療の場合は高額な治療費がかかる。
②感染・炎症の悪化
・歯や歯ぐき(歯肉)の炎症が強くなり、膿が溜まったり、歯根嚢胞や歯周病を引き起こす。
③全身への影響(特に歯周病)
・口腔内の細菌が血流によって全身に運ばれて、心臓疾患のリスクが増加する。
・糖尿病患者は血糖コントロールの悪化のリスクが増加する。
・妊娠中は早産や低体重児のリスクが増加する。
④痛み・生活の質の低下
・進行するほど痛みがひどくなり、食事の制限が出てくる。日常生活や睡眠に支障をきたす。
【虫歯の治療法とその流れ】
虫歯の治療は、進行度によって方法や手順が異なります。以下に一般的な流れをまとめます。
・初期虫歯(CO〜C1 エナメル質)
《治療法》フッ素塗布、ブラッシング指導、再石灰化促進
《流れ》歯の清掃→フッ素塗布→定期的なチェック
・中期虫歯(C2 象牙質まで進行)
《治療法》虫歯の部分を削って詰め物をする(コンポジットレジンやインレーなど)
《流れ》診察、レントゲン→必要に応じて麻酔→虫歯を削る→詰める→噛み合わせの調整
・進行期虫歯(C3 神経まで進行)
《治療法》根管治療(神経を取る)を行い、被せ物をする(クラウンなど)
《流れ》診察、レントゲン→麻酔→神経除去、根管内清掃→薬剤充填→被せ物セット
・末期虫歯(C4 歯根だけ残る)
《治療法》抜歯をしてブリッジや入れ歯、インプラントを入れる
《流れ》診察、レントゲン→麻酔→抜歯→治癒期間→補綴治療(ブリッジ、入れ歯、インプラント)
虫歯の治療は早期治療で『削る量を最小限に』『痛みを抑える』『歯を長持ちさせる』ことが可能になります。
そのため、定期検診や早期受診がとても大切です。
【虫歯を放置しないための予防策】
虫歯は『できてから治す』ではなく『できないように予防する』方が歯には優しく、治療の負担も少なくて済みます。予防は日常的なセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアの両面から行うことが効果的です。
①正しい歯磨き
・最低でも1日2回は磨く(基本は朝、夜)。特に就寝前の歯磨きは時間をかけて丁寧に行うことが大切です。
《磨く時のポイント》
・歯ブラシの毛先を歯と歯ぐき(歯肉)の境目に当てる。
・優しい力で、細かく動かして磨く。
・フッ素配合の歯磨き粉を使うことでより虫歯予防に効果的なケアを。

②デンタルフロスや歯間ブラシを併用する
・歯と歯の間の汚れは歯ブラシでは十分に落とすことができない。
・夜の歯磨きの際に使用しましょう(最低1日1回)。

③食習慣の改善
・砂糖の摂取を控える。
甘いお菓子や飲み物を摂る頻度を減らしましょう。
・間食のダラダラ食べ、飲みは控える。
ダラダラ食べることで口腔内のpHが酸性の状態が長くなるため、虫歯菌が活発になります。
間食の時間を決めて、唾液の力で口腔内pHが中性に戻る時間を作ることが大切です。

④生活習慣の改善
・喫煙や過度な飲酒は口腔環境の悪化につながる。
・十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がける。

⑤定期検診の受診
・最低でも6ヶ月に1回の受診がおすすめ
・歯科衛生士によるプロフェッショナルケアでバイオフィルムや歯石の除去
・フッ素塗布やシーラントなどによる予防処置

小さな努力の積み重ねで大きな虫歯治療を避けることができます!
【虫歯放置の心理的、生活面への影響】
虫歯は身体的な痛みだけでなく、心理面や生活面へ影響が出ることがあります。痛みや見た目の変化から食事の楽しみがなくなってしまったり、会話や笑顔に自信が持てなくなることがあります。子どもであれば学習や遊びに影響が出ることがあり、大人でも集中力や仕事のパフォーマンス低下を招くことがあります。こうした心理的負担も早期の治療や予防で軽減可能です。

【自宅でできる虫歯のセルフチェックのポイント】
日常的に自分の歯の状態を確認する習慣もとても大切です。鏡で歯の表面の状態を確認したり、冷たい水などでしみる症状がないかチェックしてみましょう。もし異変に気付いた場合、それは虫歯かもしれません。小さな変化に気づくことは削る量も少なくすみ、痛みも最小限に抑えられます。
【虫歯予防は全身の健康にもつながる】
虫歯予防は歯の健康だけでなく、全身の健康を守ることにもなります。口腔内の細菌が血流に入り込むと、糖尿病や心疾患に悪影響を及ぼすと言われています。(特に歯周病菌)つまりブラッシングなどのセルフケア、定期検診の習慣は『口腔ケア』だけでなく『全身ケア』にもなるのです。

【虫歯放置を防ぐための意識づけ】
『痛くなったら行く』ではなく、『痛くなる前に行く』意識を持つことが大切です。初期段階の虫歯はほとんど痛みを感じないため、自覚症状が出る前の予防や定期検診が最も有効です。また、虫歯の早期発見は治療や費用の負担を抑え、将来の歯の健康寿命を延ばすことにもつながります。
【よくある質問】
Q.虫歯を放置すると死亡することがあるのか。
A.・虫歯自体で命に関わることはないが、放置すると感染症を引き起こして命に関わることがあります。
・特に腫れや痛みが強い、発熱がある場合は早急に歯科、医療機関を受診しましょう。
・定期検診や早期治療でリスクはほぼ0にすることができます。
Q.虫歯があると歯医者さんに行くのが恥ずかしい。
A.歯科医はそのような状態を理解している専門家です。
恥ずかしさを感じるかもしれませんが、放置することで状況がどんどん悪化してしまいます。
ぜひ、リラックスして受診してください。
虫歯は放置すれば進行し、痛みや歯の喪失、さらには全身の健康リスクにもつながる可能性があります。しかし、定期的な歯科受診や正しいセルフケア、食生活の工夫など、日常のちょっとした努力で防ぐことができます。早期に治療をすれば削る量も最小限に抑えられ、痛みや費用の負担も少なくて済みます。また、虫歯予防は歯だけでなく、口腔内環境や全身の健康を守ることにもつながります。怖がらず、恥ずかしがらず、気になる症状があれば早めに歯科を受診しましょう。
毎日の小さな習慣の積み重ねが、大切な歯を守る力になります。

