【歯科医監修】歯の健康を守るための定期検診ガイド!
25.10.26
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歯の健康を守るための定期検診ガイド!
【定期検診の目的と重要性】
歯科医院での定期検診は、口腔の健康を維持する上でとても重要です。その理由を説明していきます。
⒈虫歯や歯周病の早期発見
初期の虫歯や歯周病は自覚症状がないことがほとんどです。
→定期検診で痛みが出る前に小さな異常を発見し、早期に予防処置、治療を行うことができます。
⒉重症化を防ぐ
虫歯や歯周病を放置することは歯を失う原因になります。
→定期的にチェックすることで進行を防ぎ、歯の健康寿命を伸ばします。
⒊プロフェッショナルクリーニング
毎日の歯磨きでは落とし切れないバイオフィルムや歯石を専用の器具で除去します。
→虫歯、歯周病や口臭を防ぎます。
⒋生活習慣のアドバイス
食生活、喫煙、ストレスなども口腔内の健康につながりがあります。
→歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士が適切なアドバイスをします。
⒌全身の健康にもつながる
近年、歯周病と糖尿病、心疾患、認知症との関連が注目されています。
→口腔内の健康を維持することは全身の健康維持にもつながります。

【定期検診で行う具体的な内容】
⒈問診(主訴や生活習慣の確認)
・痛みや違和感、気になることはないか。
・食生活や歯磨き習慣の確認、喫煙や飲酒の有無の確認。
⒉視診、触診(口腔内のチェック)
・歯科医師、歯科衛生士が歯や歯肉の状態を確認する。
・虫歯、詰め物や被せ物、歯肉の腫れなどを確認する。
⒊歯周病の検査
・歯周ポケットの深さを専用の器具で測定する。
・その他、出血の有無や歯が揺れていないかなども確認する。
⒋レントゲン写真撮影(必要に応じて)
・肉眼では確認できない歯の中の状態や骨の状態、隠れた虫歯がないかを確認する。
・定期的に撮ることが多い。(1年に1回ほど)
⒌歯石除去、クリーニング
・歯科衛生士が専用の機械で歯石やプラーク、バイオフィルムを除去する。
・歯の表面を綺麗にする。
⒍ブラッシング指導、生活指導
・磨き残しをチェックし、正しい磨き方の指導を受ける。
・デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助的清掃用具についても正しい使い方の指導を受ける。
・喫煙や間食の摂り方などの生活習慣についての指導を受ける。

【定期検診の頻度はどれくらいが理想?】
定期検診の理想的な頻度は、個人の口腔内の状態やリスクによって異なりますが、一般的な目安は次の通りです。
標準的な目安:3〜6ヶ月に1回
→虫歯や歯周病のリスクが高い人は最低でも3ヶ月に1回の受診を推奨します。
◇リスク別の定期検診の頻度
⒈低リスク:虫歯と歯周病のリスクがほとんどなく、セルフケアも良好→6ヶ月に1回
⒉中リスク:過去に虫歯になったことがある、軽度の歯周病がある→3〜6ヶ月に1回
⒊高リスク:歯周病が進行している、虫歯ができやすい、喫煙者など→1〜3ヶ月に1回
【定期検診を受けるメリット】
定期検診にはたくさんのメリットがあります。ポイントごとに説明します。
⒈虫歯や歯周病を早期発見できる
⒉歯を失うリスクを減らすことができる
⒊歯科衛生士による歯のクリーニングでスッキリ!
⒋治療費や通院頻度を抑えることができる
⒌全身の健康維持にもつながる
「痛くなってから行く」ではなく、「痛くならないために行く」に変えることで将来の口腔内と体の健康を守りましょう。
【定期検診の費用について】
こちらは、あくまで目安になります。地域や医院、内容によって異なりますのでご注意ください。
健康保険が適応される場合(一般的な費用:3割負担の場合)
・検診のみ(問診、検査):約1,000〜1,500円程度
・検診+クリーニング:約2,000〜3,000円程度
・レントゲン撮影あり:約3,000〜4,000円程度
保険が効かない内容(自由診療)
・ホワイトニング
・エアフローでのクリーニング
・審美目的の処置など
【定期検診を受ける際の注意点】
定期検診を受ける際は、スムーズに正確な検査やケアを受けるためにいくつかの注意点があります。
以下にまとめていきます。
⒈事前予約をする
・定期検診は予約制のことが多いため、事前に歯科医院に連絡を入れましょう。
・希望の日時がある場合は余裕を持って予約を取ることがおすすめです。
⒉保険証、マイナンバーカードを忘れずに
・初診や月初めの受診では保険証やマイナンバーカードが必要です。
⒊直前の飲食や喫煙は控えましょう。
・口腔内に着色やにおいが残ることがあるため控えると良いです。
・直前に歯磨きをしておくと、より検査しやすくなります。
⒋症状がなくても遠慮せず相談を
・「ちょっと気になるけど言うほどでもないかな…」と思っても遠慮せずに相談しましょう。
小さな違和感こそ、早期発見のカギとなることもあります。
⒌服装はリラックスできるものを
・長時間の処置はありませんが、緊張しやすい方は締め付けがないようなゆったりとした服装が安心です。
⒍必要があれば早めに治療の予約を取る
・虫歯や歯周病が見つかったら、できるだけ早めに治療を受けましょう。
・放っておくと治療が大掛かりになったり、治療費の負担が増えてしまうことも…。
⒎次回の定期検診の目安を確認しておく
・「次はいつ来たらいいですか?」と確認しておくと安心です。
・歯科医院によってはその場で予約を取ってくれる場合もあります。

【定期検診を維持するためのコツ】
定期検診は一度受けるだけでなく、継続することが大切です。
とはいえ、忙しかったり、つい忘れてしまうこともあると思います。
そこで定期検診を継続するためのコツをお伝えします!
⒈予約をその場で取る
検診が終わったタイミングで次の予約を入れておくのが一番確実です!
手帳やスマホにメモを入れておくことで忘れるリスクを防ぐこともできます。
⒉通いやすい歯科医院を選ぶ
自宅、職場、学校に近いなどアクセスの良い歯科医院を選ぶことをお勧めします。
通うハードルが下がると通院も継続しやすいです。
時間がなかなか取れない場合は夜間診療や土日祝日対応の歯科医院を選ぶと良いでしょう。
⒊歯のメインテナンス=歯の美容、健康習慣と考える
病気予防だけでなく、見た目や健康維持にもつながります。
ネイルや美容院のように自分へのケアと考えるとモチベーションも上がります。
⒋家族やパートナーと予約を取る
一人だと忘れがちでも家族でまとめて受けると継続しやすくなります。
お子さんや高齢な親御さんと一緒の受診もおすすめです。
【まとめ】
歯の定期検診は『歯が痛くなったら行く』ではなく、『悪くならないように行く』ものです。初期の虫歯や歯周病は自覚症状がないまま進行してしまうことが多く、気づいた時には大がかりな治療になることもあります。定期検診を受けることで、小さな異変を早期に発見して、対処することで歯を削る量を減らすことができたり、治療費負担を抑えることができます。また、歯科衛生士による専門的なクリーニングで普段落とすことができない汚れを取り除くことができるのも大きなメリットです。さらに、歯を守ることは見た目の印象や、口臭予防にも直結します。笑顔に自信が持てることは、日常生活や人との関わりをより前向きにさせてくれるでしょう。大切な歯を残すことは、食事や会話を楽しむだけでなく、全身の健康維持にもつながります。歯は一度削ったり、失ってしまえば元に戻ることはありません。だからこそ、『痛くなる前に通う』という意識を持って、未来の健康を守るために定期検診を習慣にしてみてください!
